ワクチン・予防接種
ワクチン・予防接種
赤ちゃんは免疫が未発達であり、免疫力をつけるために、生後2か月から予防接種を始めていただけます。定期接種、任意接種も含め、多くのワクチンがあり、スケジュールの計画が複雑となっています。同時接種と単独接種では有効性や副反応に差がなく、遅滞なくワクチン接種をすすめていただくために、同時接種をおすすめしています。
平日、土曜日ともに13:30~14:30に実施しています。
すべて予約制ですので、Webもしくはお電話で予約してください。
安心してワクチン接種をするために、接種前に以下の内容をチェックしてみましょう。
該当する場合や判断に迷うことがあれば接種前にご相談ください。
授乳は予約時間の30分前までに済ませておくようにお願いいたします。特に、ロタウイルスワクチンは内服なので、お腹がいっぱいだと上手にワクチンを飲めない場合や、ミルクとともにワクチンを吐いてしまうことがありますので、直前の授乳はしないようお願いします。
赤ちゃんがいろいろな感染症にかかることは、成長のために必要なプロセスといえますが。ただ、感染力が強い、症状が激しい、後遺症を残すことが懸念される、効果的な治療法が確立していない、などの特徴のある感染症については、赤ちゃんを感染症から守るための有効な手段として、ワクチン接種がすすめられています。
感染症にかかると体内で抗体が作られ、その後、同じ病原体が外部から侵入すると、攻撃する仕組みができることを「免疫」と呼んでいます。このしくみを利用したのがワクチンです。病原性を弱めたウイルスや細菌などを接種することで、病気を発症することなく病原微生物に感染したときと同じ状態を体内につくることができます。これによって免疫ができ、次に本物のウイルスや細菌に遭遇したときにこれらの侵入や増殖を防げるようになります。
生後2か月から2歳の誕生日を迎えるまでの間に多くのワクチン接種があります。タイミングを逃さず接種して、赤ちゃんをしっかり守ってあげましょう。ワクチン接種についてご質問があります方は、ご遠慮なくご相談ください。
ワクチンは感染原因となるウイルスや細菌をもとに作られており、それらの状態によって、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類に分けられます。
生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱め、病原性を可能な限り少なくさせたものを原材料として使用します。毒性を弱められたウイルスや細菌が体内で増殖することによって免疫を高めていくため、接種回数が少ないですが、一方で発熱や発疹などの副反応は不活化ワクチンと比べるとやや多くなります。
不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を消失(不活化)させたり、毒素を無毒化(殺菌)したりしたものを原材料として使用します。体内で病原体が増えることはないため、自然感染や生ワクチンに比べて生み出される免疫力は弱いですが、発熱などの副反応が少なく済みます。1回の接種では十分ではないため、何回かの追加接種が必要となります。
トキソイドは、細菌が産生する毒素だけを取り出して無毒化したものを原材料として使用します。細菌に感染した際に、毒素による発病を防ぐことができます。不活化ワクチンと同様に、追加接種をして免疫を高めます。
2種類以上のワクチンを混合したものです。生後3か月から4種混合ワクチン(DPT-IPV)、1歳から麻しん風しん混合ワクチン(MR)が定期接種で行われています。
アルファベットの表記は英語の病名の頭文字をとったものです。
ワクチンの接種方法には、注射による皮下接種、口から飲ませる経口接種、スタンプ方式(管針法)といわれる経皮接種があります。ワクチンの種類によって、接種方法が決まっていますが、日本ではほとんどのワクチンにおいて、皮下注射による接種が原則となっています。飲むタイプの経口接種はロタウイルスワクチンのみで、上腕にスタンプを押しつけて接種する経皮接種もBCGのみで実施されています。
標準的なワクチン接種の開始時期の目安は以下となります。
生後2か月以降 | 5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)①、小児用肺炎球菌ワクチン①、B型肝炎ワクチン①、ロタウイルスワクチン① |
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生後3か月以降 | 5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)②、小児用肺炎球菌ワクチン②、B型肝炎ワクチン②、ロタウイルスワクチン② |
生後4か月以降 | 5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)③、小児用肺炎球菌ワクチン③、ロタウイルスワクチン③(5価の場合) |
生後5か月以降 | BCG |
生後7-8か月以降 | B型肝炎ワクチン③ |
1歳以降 | 麻しん風しん混合ワクチン(MR)、水痘(みずぼうそう)ワクチン①、おたふくかぜワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン④、5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)④ |
1歳3か月以降 | 水痘(みずぼうそう)ワクチン② |
3歳以降 | 日本脳炎ワクチン①②③ |
5歳以降 | 3種混合ワクチン(DPT) |
小学校高学年以降のワクチン | HPV(子宮頸がん)ワクチン、2種混合ワクチン(DT) |
生後6か月以降、 毎秋のワクチン接種 |
インフルエンザワクチン |
適切なタイミングで忘れずに接種するようにしましょう。下記に一般的なワクチン接種で推奨されているスケジュールを記載しますので、こちらを参考にご予約いただければと思います。なお、接種をし忘れてしまった場合でも、スケジュールを組み直して接種できることがあります。予防接種に関してご不明な点や心配なことがございましたらお気軽にご相談ください。
生後6週以上(推奨は2か月)から開始します。
1価ワクチンと5価ワクチンがあり接種スケジュールが異なります。
1価ワクチンは、1回目の接種後、27日以上あけて2回目を接種します。5価ワクチンは1回目の接種後、27日以上それぞれあけて2回目、3回目を接種します。
ロタウイルスは乳児の急性胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。乳幼児期(0~6歳)にかかりやすく、5歳までにほぼすべてのお子さまがロタウイルスに感染するといわれています。主な症状は、下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛で、嘔吐がひどく水分がとれずに脱水を起こすと、入院による点滴治療が必要になることもあります。また胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
生後2か月から7か月の間に開始し、27日以上(標準的には27日~56日)あけて3回接種します。
3回目の接種が終了した後の7か月から13か月後に4回目を接種します。
2回目及び3回目は1歳未満に終了してください。
初回の接種月齢・年齢(生後2か月から7か月までに開始できなかった場合)や接種もれによって接種間隔・回数が異なります。
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌による感染症を予防します。この感染症はほとんどが5歳未満で発症し、とくに乳幼児での発生には注意を要します。
主に気道の分泌物により感染し、中耳炎や肺炎を起こします。まれに細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎などの重症感染症を起こすこともあります。細菌性髄膜炎は命に関わったり、後遺症が残ったりすることもある重篤な疾患です。
生後2か月から7か月の間に開始し、27日以上間隔をあけて3回接種します。4回目の追加接種は、生後12か月から15か月の間に3回接種後60日以上あけて接種します。
初回の接種月齢・年齢(生後2か月から7か月までに開始できなかった場合)や接種もれによって接種間隔・回数が異なります。
肺炎球菌による感染症を予防します。肺炎球菌は乳幼児の上気道に感染すると、敗血症や肺炎、細菌性髄膜炎など重篤な感染症を起こすことがあります。また、中耳炎や副鼻腔炎などの気道感染症の原因となることもあります。
生後2か月から9か月の間に開始し、1回目から27日以上あけて2回目を接種します。3回目は、1回目から139日(20週)以上あけて接種します。
お母さんが妊娠中にB型肝炎のキャリアであることが分かった場合、母子感染予防として、出産した医療機関から接種スケジュールの指示があります。
B型肝炎症やB型肝炎ウイルス母子感染を予防します。乳幼児期(5歳未満)にB型肝炎ウイルスに感染すると、キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)になる率が高くなるといわれており、将来、慢性肝炎や肝硬変、肝がんを発症する可能性があります。
4種混合ワクチンとは、ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ、インフルエンザ菌b型混合のワクチンを指します。
第1期:生後3か月から12か月の間に開始します。20日~50日の間隔をあけて3回、3回目の終了後、6か月以上あけて4回目の追加接種をします。
2種混合ワクチンは、ジフテリア及び破傷風を予防するワクチンです。
第2期:11歳から12歳の間に、4種混合に追加して2種混合ワクチンを1回接種します。
3種混合ワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風を予防するワクチンです。
5歳から7歳までの就学前に3種混合ワクチンの追加接種が推奨されています。
また、11歳から12歳に接種する2種混合ワクチンの代わりに3種混合ワクチンを接種してもよいとされています。
1歳までに1回接種します。標準的な接種期間は生後5か月から8か月です(地域の結核の発生状況などによって異なることがあります)。
結核を予防します。結核菌は主に肺の内部で増え、咳、痰、発熱、呼吸困難など、風邪のような症状が現れます。脳、リンパ節、骨、腎臓など体のあらゆる部分に影響が及ぶこともあります。小児では全身性の結核症や結核性髄膜炎、粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)といった重篤な結核につながりやすく、重度の後遺症を残してしまうこともあります。
第1期と第2期に分かれており、合計4回接種します。
日本脳炎ウイルスは蚊を媒介して感染し、突然の高熱・頭痛・嘔吐・意識障害やけいれんなどの症状が出現します。知覚障害や運動障害の後遺症が残ったり、命に関わったりすることもある感染症です。
日本での発症はきわめて稀ですが、東南アジアなどで流行することがあります。
第1期と第2期に分かれており、合計4回接種します。
麻しん(はしか)は、発熱・発疹から肺炎や脳炎などの合併症を来す急性の全身感染症で、感染力が強く、空気感染、飛沫感染、接触感染で広がります。高熱や全身発疹、咳、鼻水、目の充血などの症状が出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすい感染症です。
風しんは、風しんウイルスによって発生する急性の発疹性感染症で、主に飛沫感染によって人から人に感染します。3日はしかとも呼ばれる発熱・発疹を来し、首や耳の後ろのリンパ節の腫れを主症状とします。脳炎などの重篤な合併症を併発することもある感染症です。妊婦さんが感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気を持って生まれる危険性があるため、男女問わず成人にもワクチン接種が推奨されています。
合計2回接種します。
生後12か月から15か月までの間に1回目の接種を開始します。
2回目は3か月以上(標準は6か月から12か月)間隔をおいて接種します。
水痘(みずぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる発疹性の感染症です。9歳以下の小児の発症が9割以上を占めています。発熱と全身に水疱疹が多発するのが主な症状ですが、重症化すると熱性けいれん、肺炎、気管支炎などを合併し、入院が必要になることもあります。大人の帯状疱疹も同じウイルスが原因で発症します。
1歳を過ぎたら開始します。
1歳のときの1回と、小学校就学前の1年間での1回の接種が望ましいとされています。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスの感染により、発熱や耳下腺(耳の下にあるだ液腺)の腫れ、あごの痛みを伴います。無菌性髄膜炎・脳炎・難聴・精巣炎など重い合併症を起こすこともあります。
生後6か月以上13歳未満は年2回(10月、11月ころ)、13歳以上は通常年1回(12月中旬までに)接種します(2回接種することも可能です)。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症であり、毎年冬(1月末~3月上旬がピーク)を中心に発生します。38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状と合わせて、のどの痛みや鼻汁、せきなどの症状もみられます。
ワクチン接種は12月中旬までに終えることが望ましいと考えられます。